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2016.10.20

【コラム】昔ながらの傘屋さんは消えてしまった

私が住む西東京市には2年程前まで「鈴や流行堂」という、昔ながらの傘屋さんがあった。
 
先代のご主人は腕のある職人さんで独自に傘の製造からお店での販売・修理までされていて、大衆的な価格帯の傘を中心に品揃えがされていた。10数年前に先代が亡くなってからは息子さんが継いで、販売から修理までを丁寧にやっておられたが残念ながら2年程前に閉店されてしまった。(現在は店舗を持たずに修理だけを電話でお願いできる様になっている。)
 
このお店では購入すると直ぐに持ち手に「名入れ」をしてくれるサービス(無料でやってくれる)があった。傘を購入すると、ご主人がその場で小型の電動工具を使って美しい文字を彫ってくれる。彫った文字に染料を塗りこみ、朱色や白色の名入れがされた傘には、なんとも言えぬ風合いがあって、傘に対する愛着が湧いたものだ。
大人になって少しいい傘を手に入れることが出来るようになった今も、この店で母が買ってくれたこども用の黄色い傘の持ち手に朱色の苗字があったことが懐かしく思い出される。
 
私が言う昔ながら傘屋さんとは、日本製の高価な傘だけではない大衆的(外国製が多い)な傘を取り揃えて販売しており、修理や名入れといった手仕事をしてくれるお店のことである。
 
先日、友人の娘さんが結婚されたので、お祝いに男女セットの傘を名入れしてプレゼントしようと傘屋さんを探して回った。
 
インターネットを検索してやっと見つけたのは、神田駅の西口商店街の入口近くにあるお店で、事前に電話して店舗の営業を確認して行ったところは、インターネットで販売するためにPCが置かれた事務室であった。高価な日本製の傘の販売だけを扱っていて、名入れは外注されているとのことであった。早々に失礼する結果となった。
 
昔ながら傘屋を探すのにインターネット検索は不向きの様で、その後は電話帳を使って銀座・中野・吉祥寺のお店を探してみる。
傘屋の協会が認定するアンブレラマスターなる資格をお持ちの店主の方が日本製の傘を中心に販売されている高級店はどうにか残っている。しかし私が求める大衆的な傘に名入れしてくれる様な親切なお店は見つからない。
そうか~もう無いんだ。
 
超高齢化社会を迎えたこの国では、高齢者の事業主が頑張ってやっている個人商店がどんどん消えつつある。
 
傘屋さんはもとより、街の中華屋さん、お豆腐屋さん・・・・・
 
フランチャイズのチェーン店しか残らない街で良いのでしょうか?
 
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